はじめに
こんにちは
今回は、歩行や走行・ジャンプなど日常生活やスポーツ活動に重要な役割を果たしている「アキレス腱」の断裂について解説します
アキレス腱断裂の主な症状
アキレス腱が切れると、次のような症状が現れることが一般的です
- 突然の強い痛み
ふくらはぎやかかとの部分に突然の激しい痛みが走り、
何かが「バチン」と切れたような感覚が伴うことが多いです
- 歩行困難
断裂によりふくらはぎの筋肉を上手く使うことができなくなってしまうため、
歩行が非常に困難になります
- 腫れや内出血
断裂した部分が腫れ、内出血により皮膚が青紫色になることがあります
アキレス腱断裂の原因
アキレス腱断裂の原因は、主にスポーツや激しい運動に起こることが多いですが、
日常生活でも断裂することもあります
- スポーツ活動
バスケットボールやサッカーなどの急な方向転換やジャンプを伴うスポーツは、
アキレス腱に大きな負担がかかります
- 加齢による腱の劣化
年齢が上がると腱が硬くなり、柔軟性が低下するため、負荷に耐えられず断裂しやすくなります
- 急な運動の再開
運動をしていなかった人が急に激しい運動を始めると、
アキレス腱に負担がかかり、断裂のリスクが高まります
- 準備不足
運動前にふくらはぎやアキレス腱のストレッチを行わずに負荷のかかる運動を続けると、
断裂するリスクが高くなります
アキレス腱断裂の診断方法
アキレス腱断裂が疑われる場合、専門の医師による診断が必要です
一般的な診断方法は以下のとおりです
- トンプソンテスト
患者がうつ伏せになり、ふくらはぎを軽く押して足首が動くか確認します
アキレス腱が断裂している場合、足首が動かないことが特徴です
- MRIや超音波検査
腱の状態をより詳しく確認するために、MRIや超音波検査が用いられることもあります
特に部分断裂の場合、視診だけでは判断が難しいため画像診断が有効です
治療法について
アキレス腱断裂の治療には、保存療法と手術療法の2つの方法があります
治療方法は患者の年齢、活動レベル、断裂の程度によって異なります
- 保存療法
保存療法は、アキレス腱が完全に断裂していない場合や、高齢者の患者など、
手術のリスクが高い場合に選ばれます
腱が自然に治癒するよう、ギプスや装具で固定し、約6~8ヶ月程度かけて徐々に回復を目指します
保存療法のメリットは、手術によるリスクを避けられる点ですが再断裂のリスクが
若干高いためよく検討する必要があります
- 手術療法
手術療法は、完全断裂やスポーツを続けたい若年層の患者によく行われる治療法です
手術では断裂したアキレス腱を縫合し、その後ギプスや装具で固定します
リハビリテーションを経て、徐々に元の活動レベルに戻ることが可能になります
手術のメリットは再断裂のリスクが低い点ですが、手術のためのリスクや痛みが伴います
リハビリテーションと予後
アキレス腱断裂後のリハビリは非常に重要です
リハビリの目標は、断裂した腱が強度を保ち、歩行や走行ができるまで回復することです
リハビリには以下のような段階が含まれます
- 初期の安静と固定
治療直後は患部の固定と安静が必要です
ギプスや装具による固定が約6週間続きます
- 可動域の回復
固定が外れたら、アキレス腱周囲の関節の可動域を広げるためのストレッチや軽い運動が始まります
- 筋力の回復
徐々にふくらはぎの筋力を強化する運動を行い、アキレス腱が負担に耐えられるようにします
プールでのウォーキングや軽い負荷のトレーニングが推奨されることが多いです
- 日常生活やスポーツへの復帰
約6〜8ヶ月でスポーツへの復帰が可能になるケースが多いですが、
完全な復帰には無理がなく段階的に復帰できるよう、医師やリハビリスタッフの指導を仰ぐことが重要です
予防のポイント
アキレス腱断裂を予防するためには、日常生活や運動での工夫が大切です
- ふくらはぎのストレッチ
運動前や入浴後にふくらはぎのストレッチを行い、アキレス腱の柔軟性を守ることが大切です
- 準備運動をしっかり行う
特に運動を始める前には、アキレス腱を含む下肢全体のウォームアップが必要です
- 無理な負荷を控える
急な運動再開や大幅な負荷の増加を避け、徐々に運動量を増やすことを急遽心がけましょう
まとめ
アキレス腱断裂は、予防や適切なケアによってリスクを軽減できます
特にスポーツをする方や中高年の方は日頃のケアを心がけ、万が一異変を感じたら早めに医師の診断を受けましょう