はじめに
第五中足骨の骨折は、特にスポーツ選手やランナーに多いケガの一つです
この骨折は「足の外側にある中足骨」の損傷を指し、痛みだけでなく運動能力の低下や長期的な影響をもたらす可能性があります
本記事では、アスレティックトレーナーの観点から、第五中足骨骨折の原因、症状、診断、治療法、そして復帰へのプロセスについて詳しく解説します
第五中足骨とは?
中足骨は、足の甲にある5本の骨で、第五中足骨は足の外側に位置します
この骨は、歩行時や走行時に体重を支える重要な役割を果たしており、特に急激な方向転換やジャンプ動作で大きな負荷がかかります
第五中足骨の骨折の種類
1. 急性骨折
• 転倒や直接的な外力(例: 足を強く捻る、物をぶつける)による骨折
• 即座に痛みと腫れが発生します
2. 疲労骨折
• 長期間にわたる反復的な負荷や過度なトレーニングによる骨の損傷
• 症状が徐々に進行し、最初は軽い痛みから始まります
3. ジョーンズ骨折
• 第五中足骨の中央部付近で発生する骨折
血流が少ない部分に発生するため、治癒が難しい場合があります
骨折の原因
• スポーツ活動
サッカー、バスケットボール、テニスなど、急な方向転換やジャンプが多いスポーツでリスクが高まります
• 過度な負荷
ランニングやジャンプ動作を繰り返すことで骨に微小なダメージが蓄積
• 靴や地面の影響
不適切なシューズや硬い地面での運動は、足にかかる負担を増加させます
• 解剖学的な要因
偏平足や足のアーチが高い場合、特定の骨に過剰な負荷がかかることがあります
症状
• 足の外側の痛み(特に運動中や運動後に顕著)
• 腫れと内出血(急性骨折の場合)
• 荷重時の痛み(歩行や立ち上がりが困難)
• 局所的な圧痛(骨折部位を押すと痛みが増強)
• 運動能力の低下
診断
骨折が疑われる場合は、必ず専門医の診察を受ける必要があります
以下の診断方法が一般的です
1. 視診・触診
痛みや腫れ、圧痛の部位を確認します
2. 画像診断
• X線検査で骨折の有無を確認
• 疲労骨折や初期段階の骨折はMRIやCTスキャンが有効
治療方法
1. 保存療法
• 軽度の骨折や疲労骨折の場合
• 松葉杖での歩行制限
• ギプスや装具で固定(通常4~6週間)
• アイシングで炎症を軽減
• 適切な栄養摂取(カルシウムやビタミンDを含む)
2. 手術療法
• 骨のずれが大きい場合やジョーンズ骨折など治癒が難しい場合
• 金属スクリューによる固定術が一般的
• 手術後もリハビリが必要
リハビリと復帰へのプロセス
1. 初期(固定期間)
• 安静と患部の保護が最優先
• 他部位の筋力維持を目的としたトレーニング(例: 上半身トレーニング)
2. 中期(固定解除後)
• 軽いストレッチや関節可動域の回復運動
• 筋力トレーニングの再開(例: 足首やふくらはぎの筋力向上)
• プールやエアロバイクなどの負荷が少ない運動を取り入れる
3. 後期(復帰直前)
• ジョギングやスポーツ特有の動作トレーニング
• 動的ストレッチを積極的に行い、可動域と筋力をバランスよく向上させる
• コーチやトレーナーと連携しながら運動量を段階的に増やす
ケガの再発予防
• 適切なシューズの選択
クッション性が高く足のアーチをサポートする靴を選びましょう
• トレーニングの管理
急激な負荷の増加を避け、トレーニングプランを段階的に進めます
• ストレッチと筋力強化
足部の筋肉(特に足底筋やふくらはぎ)を強化し、柔軟性を保つことで再発リスクを低下させます
• 定期的なメンテナンス
アスレティックトレーナーや理学療法士による評価とケアを受けるのも効果的です
まとめ
第五中足骨の骨折は、適切な診断と治療、リハビリを行うことで多くの場合完全回復が可能です
特にスポーツ選手の場合、復帰までの過程を慎重に計画し、再発予防を徹底することが重要です
痛みや違和感を感じたら早めに専門家に相談し、適切なケアを受けましょう
健康な足でアクティブな生活を楽しむために、予防とケアを大切に!